LE Audio チャレンジ

Bluetooth に新しい省電力系LE Audio が出てきてしばらく経った。音声系を再構築ということでいろいろ組み合わせてみたいところだが、噂では条件がいろいろあるとかで検証してみることに。Auracastという新要素も使えるのでおすすめ。

用意したイヤホンはTechnics EAH-AZ100 と EarFun Air Pro 4+ どちらもLE Audioに対応している比較的初期段階の高級イヤホン

送信側(トランスミッター)にはPCの一般的なBluetoothなどではv5.2以降、かつLC3 Codecが必要と条件がやや複雑。

基本的にPCの出力はそのままBluetoothで出力しているが、ディスプレイに複数入力がある場合はそちらからもBluetoothで繋ぎたい、こともよくあり。

Bluetooth と別途 LE Audio用ドングル(トランスミッター)等を用意することで、比較的簡単に解決することはできそうだが二度手間でもある。

まずは各OSでLE Audioを有効化するところから。操作用のAndroidではBluetooth 5.2 とAndroid 13くらい以降で対応可能となってくるらしいので対応していればOSのBluetoothの各イヤホンの設定からLE AudioやAuracastの操作が可能。できない場合は各イヤホンのアプリからAuracastの接続先を探すことになるのかもしれない。

LE Audio

Bluetoothの新オーディオであるところのLE Audio、Bluetooth LE上の標準として新規に構築され従来のA2DPの代替となる。標準CodecにはLC3を採用していてハイレゾ向けに現在はLC3plusなどもある。省電力かというと、LDACより接続時間が短い場合もあってまだ微妙なところ?

しばらくは世代交代を待つことにもなるが、Android 14くらいの機種であれば使えるようなところまで来ている。

  • 低消費電力(?)
  • Codec: LC3
  • 8 kHz, 16 kHz, 24 kHz, 32 kHz 44.1 kHz 48 kHz なので基本的に48 kHz
    • AACより低ビットレートに強い 
    • オーディオ用、通話用、補聴器用、など何段階かの音質はある
  • ステレオは左右個別送信、5.1chなどのサラウンド等も可能らしい(LC3plus?)
  • ハイレゾ音用のLC3plus. Opus HD, aptX Adaptive LEもある
  • 通話用TMAC、ゲーム用GMACなどのProfileもあり

Auracast

LE Audioの機能のひとつであるAuracastでは送信機と受信機で1:1ではなく、1:n のブロードキャスト接続ができ、多人数で会場、駅などの案内、通訳音声を聞くことなどが想定されていたりする。帯域の制限もある場合があるが、補聴器にも対応する。接続先の選択にはスマートフォンなどアシスタントとなる機器を利用できる。名前で見分ける他、パスワードの設定も可能。双方向ではないためマイク等の同時利用には対応しない。

  • テレビ視聴など
  • 公共、待合室等で多人数での音声視聴
  • 会議等での同時通訳
  • 美術館などの案内(同チャンネル?)

Auracast 3つの役割

Auracastには送信機、受信機のほか、アシスタントがある。

  • 送信機(トランスミッター) 従来のPCやAndroidなど、識別のための名前がつく
  • 受信機(レシーバー) イヤホン、スピーカーなど
  • アシスタント(補助) 受信機とペアリングし、送信機を選択する操作機

Androidアプリ、Android 13以降実験実装?などがアシスタントとして利用できる。Auracastの名前一覧から選ぶことで送信機を選択する

アシスタントはBluetooth LEは必要だがv5.2以降ではなくてもよい。受信機側でアシスタント機能も対応すればなくても利用できる場合もある。

Androidの設定

Android 13以降、Bluetooth 5.2以降でも無効化されている場合は開発者向けオプションを有効にしてからLE Audio系の設定を有効化する。有効化できない場合でもBluetooth LEに対応していればイヤホンのアプリケーションからアシスタントとして利用することはできる。

設定 → システム → 開発者向けオプション

  1. Bluetooth LE Audioモード [ユニキャストとブロードキャスト]
  2. Bluetooth LE Audio ブロードキャストUIのプレビューを有効にする [ON]
  3. Bluetooth LE Audioの許可リストを回避する [ON]
  4. Bluetooth LE Audioハードウェアオフロードの無効化 [OFF]

ブロードキャストはAuracastのこと

許可リストは回避しないと使えない場合があるのでONにしてみた 

イヤホンは各アプリでA2DPとLE Audioが選べるものが多いのでLE Audioを有効にして再度接続登録しておく

AndroidをAuracast送信機に

 AQUOS R8のBluetooth設定からLE Audioで接続している受信機(イヤホン)を1つ選び、音声の共有を開く

詳細設定をすると共有される状態になる。通話は1つの機器だけで使うことができる。 

Bluetooth の[接続設定] [接続の詳細設定] [音声の共有] で[音声を共有]をOFFにした状態で[互換性の向上]  をONにしてからLE Audioに接続すると補聴器に対応する音質にすることができる

Lenovo Tabletはv5.2未対応のため送信不可だった

専用機、トランスミッターを送信機に

Bluetoothトランスミッターとしていくつか販売されているのでeppfunのものを入手してみた

eppfun AK8675 Max

入力

  • USB(2ch, 24 bit, 96kHzまで入力可)
  • S/PDIF(光、コアキシャル)
  • AUX

Bluetooth出力

  • Classic (A2DP)
    • SBC 
    • aptX
      • aptX LL
      • aptX HD
      • aptX Adaptive
      • aptX Lossless (44.1/48kHz)
  • LE Audio
    • LC3
    • Auracast

ということで、LDACなどには対応していない。USBやS/PDIF入力がおすすめ。タイミングによってはノイズがのることもあるのでAUXやCOXを外してみたり、電源を入れ直すか入力を切り替えるなどすると改善することもある。AUXのアナログ入力はノイズ的に期待しないほうがよさそう。なぜかバッテリー駆動する。

aptX Adaptive の場合はノイズがややある感じで改善難しいのでUSBのみにしてみたりで改善 

他の機器はUSBのみなどで微妙なので小型でなくていいならおすすめかもしれない。

Auracastの制限といえば、名前が固定、パスワード設定不可、ぐらいだろうか。 

AndroidからAuracastを探す

Android 14 AQUOS R8の場合はOSのBluetoothの設定を開くとLE Audioは試験運用中となっていた。音声ストリームを探すでAuracastを探すことができる。

Lenovo Tablet P11 2nd はBluetoothのバージョンが足りない状態なので設定を有効にできないがアシスタントとしては利用可能。EarFunのアプリでは送信機名が****としか表示されなかった。

Windowsチャレンジ

いちばん難解なのがWindows 11。対応はしているものの確実なデバイスの組み合わせがよくわかっていない状態らしい。

  • Bluetooth v5.2 以降
  • LC3 Codec (Audio Class Extensions/DSPなど)
    • Intel Smart Sound Technology (SST) for Bluetooth LE Audio
    • MediaTek Audio Class Extension (ACX)
    • など

この2つが揃っていないと利用できない。Intel Wi-FiカードなどはBluetoothのみでLC3 Codecを提供しておらず、LC3対応するにはIntel SST対応のCPUなどとの組み合わせが必要になる。

他のBluetooth v5.2ドングルなども基本的にLC3 DSPを搭載していないため、AMD Ryzen系などでは特定のチップでないとLE Audio/Auracastが利用できないという状態になる。

CPUの方でLC3に対応していたり、BluetoothチップでLC3対応していたりすると利用できる形と予測できる。

LC3のないもの

  • Intel AX200 Bluetooth v5.0は未対応
  • Intel AX210/BE200 Intel SSTが必要?
  • Intel BE201/BE211/BE213 Intel 専用
  • BARROT Bluetooth 6.0 Adapter
  • など一般のBluetoothアダプタ
LC3のあるもの
  • Intel SST for LE Audio (Intel CPU内蔵?)
  • MediaTek MT7921/7925/MT7927 LC3対応ドライバ(ACX)あり
  • Qualcomm QCNCM865 LC3対応ドライバ(ACX)あり?
  • RealTek ?
  • ASUS USB-BT540, USB-BT600 など一部のBluetoothドングル

ということで、 AX200から乗り換えで BE200, MT7927 と2つ程入手してみたが、どちらもWi-Fi, Bluetooth としては問題なく利用できる。Intel CPUであればBE200やBE201, BE221 + Intel SSTでLE Audioも対応可能かもしれない。

BluetoothにLC3も搭載されているものはAMD系で推奨されている。

  • MediaTek MT7920/MT7922/MT7925/MT7927

Intel BE200でもMediatek MT7927でもBluetoothはUSBで接続されているのでPCIeのみでは利用できない。PCIe M.2変換カードに乗せている場合はUSB接続も忘れずに。 

今回購入したIntel BE200はAMD機でLE Audio利用できず、Mediatek MT7927 (EDUP)には正式ドライバのメモが入っていたが、LC3系ドライバは含まれていなかった。ただ同じMT7927のドライバにACXがあるので色々入れてみた結果ASUSのドライバが手軽かもしれない。ドライバ探しは多少の試行錯誤が必要かもしれず。

ヒント? https://scrapbox.io/standard/LE_Audio

  • Dell ACX単体あり
  • EDUP, FMV ドライバのみ
  • ASUS ACX込みBTドライバあり
  • Intel CPU Intel Smart Sound Technology for Bluetooth LE Audioドライバ (ACX)?

Wi-Fi, Bluetooth, Audio Class Extension (ACX)の3つのドライバを入れて再起動すると [設定] の [Bluetoothとデバイス] から [デバイス] を開き、[デバイスの設定] に [使用可能な場合はLEオーディオを使用する] が登場する。

LE AudioのOn/Off切り替えには再起動が必要らしい。イヤホン側でもLE Audioを有効にして接続すると、バッテリー表示が2つになって接続される。L 1つの場合もある。

デバイスドライバからBluetoothアダプタを無効化するとACXも無効化されるため他のUSB BluetoothアダプタなどにACXを流用して試してみることはできない様子。

16bit 48kHz ぐらいで接続でき、変更はできない。Alternative A2DP DriverもLE Audioには未対応。

これで準備は終わり。A2DPとの切り替えには設定変更と再起動のみでできそう、かも。

共有オーディオはAuracast か?

LE Audioの先にはAuracast対応もあるため試してみることにする。

共有オーディオ(Audio Shareing)を使うには、タスクバー右の スピーカーアイコンを開き、対応していれば?スクロールさせると「共有オーディオ」という項目がある。

まずLE Audio対応デバイスを2台接続する。共有オーディオを開き、2つ選択して共有すると、設定 システム サウンド の 出力からLE Audioのイヤホンが消えてAudio Share か何かが出てくる。開いていると固まるので、まだ閉じてから実行するほうがよさそう。

共有名やQRコードもなく、3台目のLE Audioイヤホンがないと外部から接続テストもできないのでAuracastかどうかはわからないが、2台目が最初から必要という操作性の悪さも含め、Auracastっぽくはないように見られる。Androidのようにイヤホン1台からはじめられるのが理想ではないかな。

問題点

LE Audioでは左右独立して接続されるため、接続状態がまだ不安定という印象。

AndroidとPCでイヤホンを接続していると左右遅延接続が繰り返されイヤホンの取り合いになる場合がある。同時にOnにしないほうがよさそう。切断してもすぐに再接続されてしまったり、まだまだ難あり。

PCでのLE Audioバッテリー表示が片側だけになったイヤホンもあった。音はステレオ再生できている。

Alternative A2DP Driver からはA2DPではないので設定が触れない。 

AuracastはAndroidでは送信機、アシスタント、どちらも利用できたがWindows正規リリースではまだ未対応。Betaを見てもまだ時間がかかりそうな印象。

将来的なAuracast対応は主要なアダプタにブロードキャスト Isocronus streaming サポートがないように見えるので不安なところ。 

で

LE Audio、遅延解消に使ってみてもいいが、バッテリー持ちは他のCODECの方が長かったりもするようなので、aptX Adaptive, LDACなどと使い分けてみるのがよさそうな雰囲気。 

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